まさに「冤罪を証明」
足利事件の菅家さんは無実であるということを01年2月、世間に明らかにした単行本『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか』(小林篤著、草思社)のことは知っていた。が、いままで読んだことはなかった。同書は『足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本』(講談社文庫)と改題されこのほど文庫化。遅ればせながら読んだ。
著者の丹念な取材を基に書かれ、菅家さんがなぜ犯人とされたのか、その過程がよく理解できる。捜査関係者をはじめ、マスコミ(実は自分も)はどのように菅家さんを見ていたのかも。
読み進めているうちに、当時勤めていた新聞社の記事も登場しているのが見つかった。推定無罪ということを忘れ、犯人であることを前提にした記述で、とても恥ずかしく申し訳ない気持ちになるが、そのときはマスコミ全体が同じような受け止め方だった。デスクを務めていた先輩から最近、「きょう逮捕へ」と地元紙では唯一、見出しを打ったという経緯も聞いたが、結果的に菅家さんを冤罪被害者にする片棒を担いだマスコミも責任は重い。
《犯人だったら言えない決定的な言葉を発していた。菅家は、司法がDNA鑑定を盲信した一審段階から再鑑定を望んでいた》(『足利事件』)。この言葉を真摯に受け止めることができていたなら、17年半も菅家さんを苦しめることはなかったのかもしれない。
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足利事件―冤罪を証明した一冊のこの本 (講談社文庫) 著者:小林 篤 |








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