ジャーナリズムはある?
中央官庁をはじめ、県庁所在地などには必ず記者クラブがある。日本新聞協会加盟の新聞、テレビ各社はクラブに所属しネタをもらっている。
記者クラブに安住して、本来のジャーナリスト活動をしていない日本の記者たちを痛烈に批判した『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆著)を読んだ。ニューヨーク・タイムズでの記者経験のある著者は、官庁からの発表文に慣らされ、他社との強烈な横並び意識でジャーナリズム精神を失った記者の実態を暴いている。
たとえば、国会取材で政治家の発言に対し、何人もの異なった会社の記者同士が記録を確認しあう「メモ合わせ」をする。“しばり”という宮内庁からの要請があれば、事実を知っていても書かず国民の知る権利を勝手に奪っている。
かつて自分も県警、市政記者クラブに所属していたので偉そうには言えない。市政クラブでは毎月末、市長をはじめ市幹部が出席しての定例記者会見があり、行政がPRしてほしいと思って発表するニュースを無批判に記事化していた。
会見の席上、独自につかんでいた一般廃棄物処分場建設問題について、市企画部長に質問をしたことがある。たぶん空気を読まず慣例、筋書きのない突然の質問をされたためか、その場では明確な返答はもらえなかった。会見後、某民放テレビ記者から「あの席で質問するのは、もったいない」という“アドバイス”をいただいた記憶がある。
インターネットが発達しても、やはり新聞、テレビからのニュースは欲しい。ジャーナリストには《権力をチェックする立場と国民に知らせる義務》を忘れないでもらいたい、と切に願う。
| ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書 う 2-1) 著者:上杉 隆 |
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